2012年07月31日

法定成年後見の事例


 裁判所の公表資料の成年後見関係事件の概況が平成12年から毎年データを公開していますので参考にしてください。

事例1 後見開始事例

事例の概要
1. 本人 男性(57歳),アルツハイマー病,入院中
2. 申立人 妻(53歳),パート店員
3. 申立ての動機 相続放棄
4. 成年後見人 申立人
5. 概要

 本人は5年程前から物忘れがひどくなり,勤務先の直属の部下を見ても 誰かわ
からなくなるなど,次第に社会生活を送ることができなくなった。

 日常生活においても,家族の判別がつかなくなり,その症状は重くなる一方で
回復の見込みはなく,2年前から入院している。

 ある日,本人の弟が突然事故死し,本人が弟の財産を相続することになった。弟
には負債しか残されておらず,困った本人の妻が相続放棄のために,後見開始の審
判を申し立てた。

 家庭裁判所の審理を経て,本人について後見が開始され,夫の財産管理や身上監
護をこれまで事実上担ってきた妻が成年後見人に選任され,妻は相続放棄の手続を
した。


事例2 保佐開始事例

事例の概要
1. 本人 女性(73歳),中程度の認知症の症状,一人暮らし
2. 申立人 長男(46歳),会社員
3. 申立ての動機 不動産の売却
4. 保佐人 申立人
5. 概要

 本人は1年前に夫を亡くしてから一人暮らしをしていた。以前から物忘れが見ら
れたが,最近症状が進み,買物の際に一万円札を出したか五千円札を出したか,分
からなくなることが多くなり,日常生活に支障が出てきたため,長男家族と同居す
ることになった。

 隣県に住む長男は,本人が住んでいた自宅が老朽化しているため,
この際自宅の土地,建物を売りたいと考えて,保佐開始の審判の申立てをし,併せ
て土地,建物を売却することについて代理権付与の審判の申立てをした。

 家庭裁判所の審理を経て,本人について保佐が開始され,長男が保佐人に選任さ
れた。長男は,家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け,
本人の自宅を売却する手続を進めた。


事例3 親族以外の第三者を成年後見人に選任した事例

事案の概要
1. 本人 男性(44歳),統合失調症,入院中
2. 申立人 叔母(70歳),無職
3. 申立ての動機 不動産管理
4. 成年後見人 司法書士
  成年後見監督人 社団法人成年後見センター・リーガルサポート
5. 概要

本人は20年前に統合失調症を発症し,15年前から入院しているが,徐々に知
的能力が低下している。
障害認定1級を受け障害年金から医療費を支出している。

本人は母一人子一人であったが,母が半年前に死亡したため,親族は母方叔母がい
るのみである。亡母が残した自宅やアパートを相続し,その管理を行う必要がある
ため,母方叔母は後見開始の審判の申立てを行った。

家庭裁判所の審理を経て,本人について後見が開始された。そして,母方叔母は,
遠方に居住していることから成年後見人になることは困難であり,主たる後見事務
は,不動産の登記手続とその管理であることから,司法書士を成年後見人に選任し,
併せてリーガルサポートを成年後見監督人に選任した。


(出典 成年後見関係事件の概況 最高裁判所事務総局家庭局 〜平成12年4月から平成13年3月〜 )

posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 15:14| 成年後見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。