2012年07月30日

相続人のなかに、音信不通でどこにいるか不明な者がいるのですが?

 遺産分割協議は相続人全員でしなければいけないので、協議ができないと遺産相続手続きができません。

 この解決方法として、行方不明のときは不在者財産管理人の選任を家庭裁判所にしてもらう方法があります。

 選任された不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することになります。
この財産管理人は不在者の財産の管理が主な職務なので、分割案ができあがったら家庭裁判所の許可を受けなければなりません。

 不在者への配慮がなされた分割案でないと、許可が認められないでしょう。

 家庭裁判所の許可を受ければ、他の相続人とともに財産管理人も署名押印した遺産分割協議書でもって、相続登記などの手続きを進めることができます。

 不在者が受け取った財産は、財産管理人が管理していくことになります。

 また、何年も行方不明で生死不明のときには失踪宣告を申し立てて、法律上死亡したことにする方法もあります。

 この手続きも家庭裁判所で審判をうけることにより法律上死亡したとみなされて、失踪者の相続が開始します。

 この手続きができるケースは、
@生死が7年間不明のとき、
A震災などに遭遇して危難が去った後1年以上生死不明が続いているときに限られています。

 @のときは生死不明後7年経過したときに、Aのときは危難が去ったときに死亡したものとみなされ、戸籍にそのことが記載されて、相続が開始します。

 そこで、最初の相続について、遺産分割協議をする際には、失踪者が亡くなっているものとして遺産分割をすることになります。

 たとえば、失踪者に妻と子供がいる場合に、死亡したとみなされたのが、最初の相続より前ならば代襲相続人である子供が、最初の相続より後ならば相続人である妻と子供が、遺産分割協議に参加して相続手続きを進めることになります。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:23| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

相続にあたり、誰が相続人になるのでしょうか。


 相続の手続きは遺言があるかないかにより手続きが異なります。

 遺言があれば、遺言のとおりに遺産分割は行われます。

 遺言がなければ、相続人間で遺産分割協議をするため、相続人を確定する必要があります。

 そこで、誰が相続人になるのかということは民法で決められています。

 法律で定められているので法定相続人と呼んでいます。


 まず、被相続人(故人)の配偶者は必ず相続人になります。
ここでいう配偶者とは、法律上の配偶者に限られます。内縁関係にある人や離婚した人は相続人になれません。
 内縁関係で事実上婚姻関係にある人は、遺族年金をもらえることになっていますが、遺言書で受遺者に指定されていなければ遺産をもらうことができません。

 次に、相続人には第1順位から第3順位までの順位があります。

 第1順位の者がいないときに初めて第2順位へと移ることになります。
 常に相続人となる配偶者と同順位で相続することになります。

@ 被相続人の子
 実子も養子も同じです。他人の養子になっている場合も実親の相続人になります。

ただ、特別養子については、実親の相続権は失われ養親との相続権だけになります。

 まだ生まれていない胎児も生まれたものとみなして相続人になります。

 非嫡出子(法律上の夫婦以外から生まれた子)は、父親が認知していれば相続人となります。

 なお、認知しないまま、父親が亡くなった場合でも、家庭裁判所に申し立てて、認知の請求ができるようになっています。

 また、被相続人が亡くなる前に子が亡くなっていて孫がいる場合は、その孫が代わって相続人になります。

 このことを代襲相続といい、孫のことを代襲相続人といいます。もし、被相続人が亡くなる前に孫も亡くなっていれば、ひ孫が代襲相続人となります。


A @がいない場合 直系尊属(父母・祖父母)
 被相続人の父母が相続人となります。父母ともに亡くなっていて祖父母が生きていれば祖父母が相続人となります。


B @もAもいない場合 兄弟姉妹
 兄弟姉妹がすでに亡くなっていたら、その子(甥・姪)が代襲相続します。ひ孫も代襲相続できる子の場合と違って、甥・姪が被相続人よりも先に亡くなっていても甥・姪の子供は代襲相続することはできません。


 なお、相続放棄の手続きをすると最初から相続人でなかったことになります。

@の第1順位の子全員が相続放棄すれば、Aの第2順位の直系尊属が相続人となり、Aの直系尊属も相続放棄すればBの第3順位の兄弟姉妹へと移っていきます。

 相続人がいない場合(相続人全員が相続放棄した場合も含む)、相続人がいるはずだが見つからない場合は、家庭裁判所により相続人捜索の公告により相続人不存在が確定します。

 この公告期間内に被相続人と世帯を同じくしていた内縁の妻や、療養看護をした人などが、家庭裁判所に対して特別縁故者への財産分与の請求をすることができ、家庭裁判所に認めてもらえれば遺産をもらえる場合があります。


区分:相続QA
posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:40| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺言書を隠してしまった相続人がいます。こういう場合、相続人のままでいることができるのでしょうか。

 相続人であっても、相続人になれなくて相続権を失う場合があります。
 
 相続欠格事由にあたる場合と相続廃除となる場合です。

 まず、次に挙げる犯罪行為をしてしまうと、相続欠格にあたり、当然に相続権を失い、遺贈も受けられなくなります。

@故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者
 たとえば、親・兄弟に対する殺人罪や殺人未遂により相続権を失います。

A被相続人の殺害されたことを知って、これを告発、告訴しなかった者
 ただし、判断能力のない者、または殺害者が自己の配偶者もしくは直系血族であったときは例外となります。

B詐欺または強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、またはこれを変更することを妨げた者

C詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、またはこれを変更させた者

D相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者
 遺言書を破いたり、隠したりしてしまうと相続権を失ってしまいます。


 次に、相続欠格のような犯罪ほどではないが、被相続人に対して生前相続させるのにふさわしくないことをした人は、被相続人の意思によって相続権を失わせることができます。

@被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき

Aその他の著しい非行があったとき
 これらの場合、被相続人が自由に決められるわけではなく、家庭裁判所に相続廃除の申立てをして認められれば相続廃除が確定します。
 
 遺言で廃除をすることもできます。

 また、後で気が変われば取り消すこともできます。遺言で取り消すこともできます。

 家庭裁判所により廃除が取り消されると、再び相続権がもどります。

 なお、相続欠格も相続廃除も相続権を失った者に子供がいれば、その子供は代襲相続人となります。被相続人が亡くなる前に子が死亡していて孫がいる場合は、その孫が代わって代襲相続人になるのと同じです。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:48| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

相続人の相続分はどうなっているのでしょうか。


 被相続人の残した財産を法定相続人らが遺産分割する際にどういう割合で分けたらよいか民法に定められています。

 この基準を法定相続分といいます。

 必ず法定相続分どおりに遺産分割しなければいけないということはなく、相続人全員で合意すれば自由な割合で遺産を分けることができます。

 では、具体的な法定相続分は次のような順序と割合になります。

 配偶者以外に法定相続人がいないなら配偶者がすべて遺産を相続します。

@配偶者と子が相続人であるときは、配偶者と子の相続分は各2分の1
 子が二人なら等分するので一人ひとりが4分の1となります。子の一人が亡くなってい
 て孫二人が代襲相続するときは、孫一人につき8分の1となります。
 配偶者が亡くなっていたら、子がすべて相続します。

A配偶者と直系尊属が相続人であるときは、配偶者3分の2、直系尊属3分の1
 父母ともに存命ならば、6分の1ずつとなります。母のみ存命なら3分の1となります。
 配偶者がいない場合には、直系尊属がすべて相続します。

B配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
 兄弟が3人いたら、等分するので一人につき12分の1となります。兄弟の一人が亡く
 なっていて甥と姪が代襲相続する場合、甥と姪各24分の1ずつとなります。
 配偶者がいない場合には、兄弟姉妹がすべて相続します。
 

 非嫡出子(法律上の夫婦以外から生まれた子)は、父親が認知していれば相続人となりますが、法律で非嫡出子は嫡出子の相続分の2分の1とされています。
 差別規定で、法の下の平等に反するのではないかということで見直しがされることになっていますが、まだ法律の改正は行われておりません。

 たとえば、配偶者と子が3人いて、うち一人が非嫡出子のとき、配偶者2分の1(10分の5)、二人の嫡出子各5分の1(10分の2)、非嫡出子10分の1となります。





posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:50| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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