2012年07月30日

父の生前、土地・建物の贈与を受けていた兄弟がいます。遺産を分けるにあたり、その兄弟は平等に遺産を分割すべきだといっていますが、不公平なように思います。どうしたら、よいでしょうか。

 相続人が生前贈与を受けている場合は、その分遺産を前渡しされているものとして、相続のときに、その贈与を受けた分を相続財産に加えて、相続財産の総額とします。生前贈与や遺贈を受けた者を特別受益者といい、相続財産に加えることを持ち戻しといいます。

 生前贈与を受けた兄弟の具体的相続分は、相続財産の総額から法定相続分を計算し、生前贈与分を差し引いた残額となります。民法は、他の相続人との公平を図るため、特別受益者の相続分を減らすことにしています。

 ただし、生前贈与や遺贈の金額を差し引いて、残額がマイナスになり、もらいすぎになっても、その超過分は返さなくてもよいことになっています。>
posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 18:38| 寄与分、特別受益 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

特別受益になるケースは、どんなものがあるでしょうか。

@遺言によって遺贈をうけた財産はすべて特別受益として持ち戻します。

A婚姻または養子縁組のための贈与を受けた場合です。
 たとえば、持参金・嫁入り道具・支度金などです。挙式費用は含まれませんが、結婚費用として本人に現金を渡し、本人の責任でしたようなときは婚姻のための贈与になります。

B生計のため資本として贈与を受けた場合です。
 たとえば、独立するために土地をわけてもらったり、家を新築してもらったり、営業資金の援助をうけたり、などです。他の兄弟より、特別に学費を多くもらったような場合も含みます。

 また、贈与を受けた時期は、制限はなく、30年前に贈与を受けた場合も含みます。

 被相続人が相続分とは別に与えたもので特別受益として持ち戻す必要はない、という意思表示があれば、遺留分に反しない限度で、持ち戻しが免除になります。法定相続分の前渡として精算されることなく、別枠の贈与・遺贈として被相続人の意思が実現されます。相続時に争いをさけるために、遺言など書面を残しておくのがよいでしょう。

 なお、遺贈についての持ち戻し免除は、遺言でしなければなりません。

 また、特別受益があったとしても、必ずしも持ち戻ししなければいけないわけではなく、相続人全員でもって、特別受益を考慮せずに遺産分割協議をすることは自由にできます。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 18:42| 寄与分、特別受益 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

特別受益者がいる場合、具体的な計算方法をどうなりますか。

例 1.相続人     配偶者 長男 長女
  2.相続財産    1億円
  3.特別受益分   長男  営業資金として2,000万円の贈与
            長女  結婚の際、1,000万円の贈与(持ち戻し免除)
  4.相続財産合計  1億円+2,000万円=12,000万円
              ※長女の1,000万円は加算しない

 各相続人の具体的相続分額
   配偶者   12,000万円×1/2=6,000万円 
   長 男   12,000万円×1/2×1/2−2,000万円=1,000万円 
   長 女   12,000万円×1/2×1/2=3,000万円 


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 18:43| 寄与分、特別受益 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

30年前に、贈与を受けたお金はいくらとして計算するのでしょうか。

 贈与をうけた時と現在では、価値が異なりますから、相続開始の時点を基準として、現在の貨幣価値に換算して評価するのが通常です。
 お金を使ってしまって、実際なくなっていてもあるものとして計算します。
 贈与を受けた財産が、風水害や類焼など不可抗力によってなくなってしまった場合は、何ももらわなかったものとして計算します。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 18:45| 寄与分、特別受益 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

幼いころ養子にでた私のところに、実の兄より「特別受益証明」という書類が送られてきました。実印を押して、印鑑証明書と一緒に送り返してくれという内容でした。 どのようにすればよいでしょうか。

 これは、上記に述べたような特別受益があった場合のみだけではなく、相続財産があるのに事実上相続の放棄をすることになる書類です。
 「相続分不存在証明書」「相続分なきことの証明」ともいい、遺産分割協議書の便法として使われる場合が少なくありません。

 その理由として、遺産分割協議書という形式と違って遺産を記載しなくてもよい、家庭裁判所での正式な相続放棄手続きをとらなくてすむ、また、この書類に実印を押して印鑑証明書を添付すれば、その人を除いて不動産の相続登記をすることができる、などです。

 しかし、生前贈与を受けたという事実に合致していないため、後で相続人間でトラブルとなることがあります。遺産の全体がわからないため、放棄していいのか判断がつかず、遺産の分配が不公平になされたのが、後日、判明したような場合です。

 いったん、この書面に署名・押印してしまうと自己の相続分はないことを認めたものとして争うことが難しくなるので、安易に署名・押印しないほうがよいでしょう。

 なお、ここでいう相続財産に借金などの相続は含みませんので債権者には相続人でないことを主張できません。遺産の調査の上、マイナスの財産が多ければ事実上の放棄の書類ではなく、家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしたほうがよいでしょう。

 したがって、遺産の調査をしたうえで判断し、納得いかなければ共同相続人全員で遺産分割協議をするのがよいと思われます。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 18:47| 寄与分、特別受益 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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