2012年07月30日

限定承認の手続きは、どうなっていますか?


 被相続人の相続開始地(最後の住所地)の家庭裁判所で手続きを行います。


 限定承認の手順は、次のとおりです。

@相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に、財産目録を作成して、
 家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申述します。
 ※被相続人の出生から死亡までの戸籍または除籍謄本、住民票除票の写し、
  相続人の戸籍謄本、住民票の写しなどが必要になります。
 ※相続財産の調査に時間がかかる場合は、3ヶ月間の期間の延長を請求できます。

A家庭裁判所は、必要事項を調査したうえで、相当と認めたときは受理し、
 相続財産管理人を選任します。

B5日以内に、2ヶ月以上の期間を定め、官報に公告をします。

Cわかっている債権者や受遺者に催告をします。

D債権者、受遺者に対して弁済をして清算します。

E弁済するために相続財産を売却する必要があるときは競売で現金にします。

 これらの手続きには、時間がかかり手続きも複雑になります。

 財産を清算した結果、財産が残らず、最初から相続放棄をしたほうがよかったとなるかもしれませんが、被相続人の遺産の処理を相続人の手でできるというメリットがあります。

 また、相続財産の中から借金を返済することになるために、金銭がなければ自宅も競売によって現金化されて負債の返済に使われることになります。

 自宅は相続して、借金だけをなしにしようという都合のよい手続きではありません。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 20:02| 相続放棄、承認、限定承認 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

単純承認とある条件の範囲内で承認する限定承認とは、どういうものですか?


 被相続人の残したプラスの財産もマイナスの財産も、すべての権利と義務を引き継ぐことを単純承認といいます。

 何も手続きをしなければ、そのまま単純承認したものとみなされます。財産の調査をせずに、そのまま単純承認してしまうと、負債が多いような場合は、引き継いでしまいます。
  
 そこで、遺産の内容を早く調査して把握する必要があります。

 また、相続人が相続財産の一部であっても処分した場合、相続放棄や限定承認をした後でも、隠したり、消費したり、悪意で財産目録に記載しなかったような場合には単純承認したことになるので注意が必要です。

 つぎに、限定承認というのは、債務などの消極財産を引き継ぐが、相続によって得た財産の限度においてのみ借金などを支払うという承認のしかたです。

 引き継いだ財産で借金を返済し、足りなくても自分の財産を使ってまで返済する必要はないことになっています。

 亡くなった直後には、資産のほうが多いが、相続人が知らない負債があるような場合に、限定承認の手続きをすることが多いです。


 限定承認は、相続人全員が一致してしなければなりません。相続人のうちの一人でも反対する人がいれば、限定承認の手続きはできません。

 ただし、相続人のなかで相続放棄をした人がいる場合は、その人を除く全員で限定承認することになります。

 自分のために相続が開始したことを知ったときを起算日として、3ヶ月以内に限定承認の手続きをするか相続人全員で決めなければなりません。



posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:54| 相続放棄、承認、限定承認 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

相続は必ずしなければいけないのでしょうか。 相続をするもしないも自由だときいたのですが、どういうことでしょうか? 


 被相続人が亡くなれば相続は自動的に開始されますが、相続を選択するかどうかは相続人の自由です。

 相続ではプラス財産である資産とマイナス財産である負債を引き継ぐことになります。

 資産だけを相続し、負債を相続しないというような都合のよいことはできません。

 資産と負債を常に相続しなければいけないとなると、負債が多いときは相続人には酷ですので、相続をそのまま受け継ぐ単純承認、すべてを放棄する相続放棄、ある条件の範囲内で遺産の相続を承認する限定承認と3つの方法から選択することができます。

 ただし、相続開始後何の手続きもせずにいると、自動的に相続を承認したことを認めたことになってしまいます。

 自分のために相続が開始したことを知ったときを起算日として、3ヶ月以内に相続放棄するか限定承認するか決めなければなりません。

 被相続人が亡くなってから3ヶ月でなく、自分が相続人であることを知ったときから3ヶ月であることに注意してください。

 たとえば、両親が離婚した後に母親にひきとられ、疎遠になった父親が亡くなったのを知ったのが、亡くなってから2年も過ぎていた場合には、その知ったときから起算します。



区分:相続QA
posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:53| 相続放棄、承認、限定承認 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

相続人の相続分はどうなっているのでしょうか。


 被相続人の残した財産を法定相続人らが遺産分割する際にどういう割合で分けたらよいか民法に定められています。

 この基準を法定相続分といいます。

 必ず法定相続分どおりに遺産分割しなければいけないということはなく、相続人全員で合意すれば自由な割合で遺産を分けることができます。

 では、具体的な法定相続分は次のような順序と割合になります。

 配偶者以外に法定相続人がいないなら配偶者がすべて遺産を相続します。

@配偶者と子が相続人であるときは、配偶者と子の相続分は各2分の1
 子が二人なら等分するので一人ひとりが4分の1となります。子の一人が亡くなってい
 て孫二人が代襲相続するときは、孫一人につき8分の1となります。
 配偶者が亡くなっていたら、子がすべて相続します。

A配偶者と直系尊属が相続人であるときは、配偶者3分の2、直系尊属3分の1
 父母ともに存命ならば、6分の1ずつとなります。母のみ存命なら3分の1となります。
 配偶者がいない場合には、直系尊属がすべて相続します。

B配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
 兄弟が3人いたら、等分するので一人につき12分の1となります。兄弟の一人が亡く
 なっていて甥と姪が代襲相続する場合、甥と姪各24分の1ずつとなります。
 配偶者がいない場合には、兄弟姉妹がすべて相続します。
 

 非嫡出子(法律上の夫婦以外から生まれた子)は、父親が認知していれば相続人となりますが、法律で非嫡出子は嫡出子の相続分の2分の1とされています。
 差別規定で、法の下の平等に反するのではないかということで見直しがされることになっていますが、まだ法律の改正は行われておりません。

 たとえば、配偶者と子が3人いて、うち一人が非嫡出子のとき、配偶者2分の1(10分の5)、二人の嫡出子各5分の1(10分の2)、非嫡出子10分の1となります。





posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:50| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺言書を隠してしまった相続人がいます。こういう場合、相続人のままでいることができるのでしょうか。

 相続人であっても、相続人になれなくて相続権を失う場合があります。
 
 相続欠格事由にあたる場合と相続廃除となる場合です。

 まず、次に挙げる犯罪行為をしてしまうと、相続欠格にあたり、当然に相続権を失い、遺贈も受けられなくなります。

@故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者
 たとえば、親・兄弟に対する殺人罪や殺人未遂により相続権を失います。

A被相続人の殺害されたことを知って、これを告発、告訴しなかった者
 ただし、判断能力のない者、または殺害者が自己の配偶者もしくは直系血族であったときは例外となります。

B詐欺または強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、またはこれを変更することを妨げた者

C詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、またはこれを変更させた者

D相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者
 遺言書を破いたり、隠したりしてしまうと相続権を失ってしまいます。


 次に、相続欠格のような犯罪ほどではないが、被相続人に対して生前相続させるのにふさわしくないことをした人は、被相続人の意思によって相続権を失わせることができます。

@被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき

Aその他の著しい非行があったとき
 これらの場合、被相続人が自由に決められるわけではなく、家庭裁判所に相続廃除の申立てをして認められれば相続廃除が確定します。
 
 遺言で廃除をすることもできます。

 また、後で気が変われば取り消すこともできます。遺言で取り消すこともできます。

 家庭裁判所により廃除が取り消されると、再び相続権がもどります。

 なお、相続欠格も相続廃除も相続権を失った者に子供がいれば、その子供は代襲相続人となります。被相続人が亡くなる前に子が死亡していて孫がいる場合は、その孫が代わって代襲相続人になるのと同じです。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:48| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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