2012年07月30日

相続にあたり、誰が相続人になるのでしょうか。


 相続の手続きは遺言があるかないかにより手続きが異なります。

 遺言があれば、遺言のとおりに遺産分割は行われます。

 遺言がなければ、相続人間で遺産分割協議をするため、相続人を確定する必要があります。

 そこで、誰が相続人になるのかということは民法で決められています。

 法律で定められているので法定相続人と呼んでいます。


 まず、被相続人(故人)の配偶者は必ず相続人になります。
ここでいう配偶者とは、法律上の配偶者に限られます。内縁関係にある人や離婚した人は相続人になれません。
 内縁関係で事実上婚姻関係にある人は、遺族年金をもらえることになっていますが、遺言書で受遺者に指定されていなければ遺産をもらうことができません。

 次に、相続人には第1順位から第3順位までの順位があります。

 第1順位の者がいないときに初めて第2順位へと移ることになります。
 常に相続人となる配偶者と同順位で相続することになります。

@ 被相続人の子
 実子も養子も同じです。他人の養子になっている場合も実親の相続人になります。

ただ、特別養子については、実親の相続権は失われ養親との相続権だけになります。

 まだ生まれていない胎児も生まれたものとみなして相続人になります。

 非嫡出子(法律上の夫婦以外から生まれた子)は、父親が認知していれば相続人となります。

 なお、認知しないまま、父親が亡くなった場合でも、家庭裁判所に申し立てて、認知の請求ができるようになっています。

 また、被相続人が亡くなる前に子が亡くなっていて孫がいる場合は、その孫が代わって相続人になります。

 このことを代襲相続といい、孫のことを代襲相続人といいます。もし、被相続人が亡くなる前に孫も亡くなっていれば、ひ孫が代襲相続人となります。


A @がいない場合 直系尊属(父母・祖父母)
 被相続人の父母が相続人となります。父母ともに亡くなっていて祖父母が生きていれば祖父母が相続人となります。


B @もAもいない場合 兄弟姉妹
 兄弟姉妹がすでに亡くなっていたら、その子(甥・姪)が代襲相続します。ひ孫も代襲相続できる子の場合と違って、甥・姪が被相続人よりも先に亡くなっていても甥・姪の子供は代襲相続することはできません。


 なお、相続放棄の手続きをすると最初から相続人でなかったことになります。

@の第1順位の子全員が相続放棄すれば、Aの第2順位の直系尊属が相続人となり、Aの直系尊属も相続放棄すればBの第3順位の兄弟姉妹へと移っていきます。

 相続人がいない場合(相続人全員が相続放棄した場合も含む)、相続人がいるはずだが見つからない場合は、家庭裁判所により相続人捜索の公告により相続人不存在が確定します。

 この公告期間内に被相続人と世帯を同じくしていた内縁の妻や、療養看護をした人などが、家庭裁判所に対して特別縁故者への財産分与の請求をすることができ、家庭裁判所に認めてもらえれば遺産をもらえる場合があります。


区分:相続QA


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:40| 相続の基礎、相続人・相続分の確定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺産分割調停は、どのように行われるのでしょうか?


 遺産分割調停は、家事審判官という裁判官と調停委員と呼ばれる人が申立人と相手方の話を交互に聞いて進めていきます。

 1ヶ月に一度くらいのペースで進められ、申立人と相手方双方の言い分を調整して、合意できそうな案を出して話し合いをまとめていきます。

 遺産分割の基準として、遺産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況、その他一切の事情を考慮すること、というように法律では決められています。
この基準により、分割案が出されます。

 調停がまとまりますと、遺産分割調停調書という書面が作られます。

 調停調書は遺産分割協議書と同じようなものですが、いくつか違いがあります。

 まず、家庭裁判所が作成するので、相続人全員の署名捺印をする必要はなく、印鑑証明書もいりません。

 この調停調書で、不動産の名義変更の登記などをすることができます。

 また、調停調書の内容の調停条項が守られないときには、財産を差し押さえる強制執行ができる場合があります。

 このように家庭裁判所で遺産分割がまとまり、書面になったものには、裁判で勝ったときの確定判決と同じ効力をもつことになります。

 もし、調停が不成立におわりますと、遺産分割審判に移行することになります。

 審判においては、家庭裁判所は各相続人の主張をきいて、証人尋問や証拠調べの結果、遺産の分け方を決定します。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:35| 遺産分割協議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺産分割協議がまとまらないときはどうしたらよいでしょうか?

 
 遺産分割協議がまとまらないときは、家庭裁判所に遺産分割の申立てをして調停や審判の手続きによることになります。

 相続人のひとりがはじめから協議に加わってこないときも同じです。
 
 まず、どこの家庭裁判所に申し立てるかですが、調停の場合は遺産を争っている相手方の住所地の家庭裁判所に申し立てます。
 審判なら被相続人の住所地の家庭裁判所です。
 
 調停申立ての書式は、家庭裁判所でもらうことができます。
 
 必要な書類は、申立書のほかに次の書類が必要になります。
@被相続人の出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
A申立人と相手方、すなわち相続人全員の戸籍謄本、住民票
B遺産目録、当事者目録
C土地建物があれば、その登記簿謄本

 もし、調停になってしまうような場合には、弁護士に相談するのがよいでしょう。


 また、遺産分割協議がまとまらないまま、相続税の申告期限である10ヶ月を迎えてしまうときには、相続税の軽減が受けられなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

 こういう場合には、まず、遺産分割がすんでいない状態で、いったん法定相続分による取得をしたものと仮定して、申告します。

 この時点では、配偶者税額控除や小規模宅地の評価減などの特例が受けることができません。

 その後、遺産分割協議がまとまった段階で、相続税の更正というのを税務署にすることにより、税金の還付を受けることができます。

 しかし、相続税の申告期限から3年以内とされていて、争いが続いていて分割協議がまとまらないまま3年を過ぎてしまうと、特別の事情がない限り、税金を取り戻せなくなってしまいます。

 したがって、相続税を納める必要のある方は、特例を使えるかどうかで税金が違ってきますので、相続税に詳しい税理士に相談する必要があります。



posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:32| 遺産分割協議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一度、分割協議がまとまり、相続登記などの各種手続きがおわったあとに、  再度やり直しすることはできますか?


 いったん遺産分割協議が成立してしまえば、相続人の一人が分配方法に不満があるからといって変更はできないので、十分に考えたうえで署名押印してください。

 特別受益や寄与分があったと、協議成立後言い出すことはできません。

 家庭裁判所に調停・審判の申立てもすることができなくなります。

 分割協議で定めた内容、たとえば誰かの面倒をみるといった約束を守らない場合であっても、分割協議をなかったことにすることはできません。

 しかし、相続人全員で遺産分割協議をやり直したり、内容を変更することはできます。

 この場合、税務上は一度権利が決まったあとの財産移転という理由で贈与税が課税される可能性があります。贈与税の税率は高いので注意が必要です。


posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:28| 遺産分割協議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺産分割後に認知された子が現れました。分割協議は有効でしょうか?


 相続開始前に認知された子がいたならば、分割協議に参加させないと分割協議は無効になります。

 そこで、遺産分割協議を全員でやり直すことになります。

 認知された子には分割協議のやり直しを求める相続回復請求権という権利があります。

 また、相続開始後に認知される場合があります。
 たとえば、父親が亡くなってから認知の訴えを起こして認知された場合や生前から認知請求していて死亡後に認められた場合、遺言で認知された場合などです。

 このような場合は、遺産分割協議前に認知されたのであれば遺産分割協議に参加できますが、すでに遺産分割その他の遺産の処分が終了してしまっていると金銭による支払いの請求しかできないことになっています。



posted by 司法書士土地家屋調査士中村事務所 at 19:26| 遺産分割協議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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